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遺言〜自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言〜

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▼ 遺言の形式

遺言は、所定の方式に従って書かれたものだけが効力を認められます。
民法は967条で、普通方式として、遺言の方式を以下の三種類と定めています。
ここではそれぞれのメリットとデメリット、及びその注意点などを見ていきましょう。


▼ 自筆証書遺言

▼ 公正証書遺言

▼ 秘密証書遺言
 

▼ 自筆証書遺言

ご自身で遺言書を作成すれば、秘密も守れますし、費用もかかりません。
これを、自筆証書遺言、と言います。

自筆ですので、当然ワープロやパソコンで作成し印刷したものは、遺言として認められません。
また、音声録音や、ビデオ撮影などの画像で残すことも同様です。
使用する紙、筆記具は何でもかまいませんが、
紙片に書いたのでは下書きと取られるかもしれませんし、
鉛筆書きでは、変造の恐れもありますので、使用しないで下さい。

書き方は縦書き、横書き、どちらでもかまいませんし、
数字の表記も、アラビア数字(1、2、3…)漢数字(一、二、三…)
どちらでもいいのですが、不動産の表示や金額の数字については、
多画数漢数字(壱、弐、参…)を使いましょう。
自筆証書遺言では、遺言の全文を自分で書く必要がありますので、
遺言事項だけでなく、日付、署名も必ず自書しなければなりません。
また、日付はその日を特定できるものでなければいけませんので、
“一月吉日”のような書き方はできません。
署名ももちろん自署し、押印も必要です。
三文判でも不備ではありませんが、実印のほうが望ましいでしょう。

遺言を書き終えたら、遺言書と表書きした封筒に入れ、糊付けして保管します。
特に表書きや封をすることは、法律で定められてはいませんが、
遺言の内容の秘密の保持と、死後発見された時に遺言とわかる為には、必要な配慮です。

自筆証書遺言は、書いた本人以外その存在も内容も知りませんので、
秘密を守ることはできますが、その書式、内容に不備がある場合、
遺言者の死後にしかそれが判明しない為、
結局遺言全体の効力に問題が生じることも考えられ、
のちにトラブルが起きる原因ともなりえます。
また、封のあるなしに関わらず、家庭裁判所で検認の手続が必要となります。


自筆証書遺言のメリット
  • 遺言の内容、存在を完全に秘密に出来る
  • 費用がかからない

自筆証書遺言のデメリット
  • 遺言の存在が秘密であれば、死後発見されないことも
  • 書式が厳格であり、それを外れれば無効となる恐れがある
  • 変造の恐れがあり、死後本人自筆のものであるか争いとなる可能性も
  • 字の書けない人は、利用できない
  • 家庭裁判所での検認の手続が必要

上記の通り、法律的に有効な自筆証書遺言を作るのは、
法律の知識がなければ、なかなか難しいと言わざるを得ません。
費用のメリットを放棄することにはなりますが、専門家のアドバイスが不可欠です。

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▼ 公正証書遺言

遺言を、公正証書という公文書にして残し、
その実行を確実なものとするのが、公正証書遺言です。

公正証書とは、法律の専門家である公証人が、
公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。
公文書ですから高い証明力があり、
公正証書遺言は、遺言者が口授した内容に従って、
公証人が作成し、公証役場に保管されるものですので、
誤記等が起こる可能性は少なく、変造されたり、
死後、遺言書としての効力が争われることもありません。
家庭裁判所の検認も、不要です。

また、字が書けない人でも利用できますし、
たとえ口が利けなくても、公証人及び証人の前で通訳人の通訳によって、
口授に替えた申述が可能です。

しかし、遺言者以外に二人以上の証人が必要ですし、
公証人と証人の前で、遺言内容を口授し、
その内容を公証人が遺言者と証人に読み聞かせる為、
遺言の存在はもちろん、内容までが知られてしまうことになります。
また、公証人の費用もかかりますし、遺産の価額によっては高額になることも。

公正証書遺言のメリット

  • 遺言書として確実に有効
  • 変造される恐れもなく、保管も公証役場で確実
  • 字が書けない人にも利用可能
  • 家庭裁判所の検認が不要

公正証書遺言のデメリット
  • 他の二方式に比べ、最も費用がかかる
  • 遺言書の存在、内容ともに知られてしまう
  • 証人が二人以上必要

公正証書遺言は、最も手続が煩雑ですし、費用もかかります。
しかし、そのデメリットを補って余りある、確実に有効な遺言書が作成できる、という点からも、
できれば、公正証書遺言を作成されることをお勧めいたします。
また、遺言の内容は口授とは言え、いきなり公証役場に行って、
全ての財産について思い出しつつ、というのは現実問題として無理でしょう。
まずは、遺言に残すべき内容を検討し、まとめなければいけません。
公正証書遺言作成にも、専門家のアドバイスは必要です。

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▼ 秘密証書遺言

遺言を書いたということは知られてもいいが、その内容は絶対に秘密にしたい、
という場合には、秘密証書遺言、という形式があります。

秘密証書遺言は、遺言者が署名押印した遺言書を封じて、
遺言書に押印したのと同じ印章で封印し、
二人以上の証人と公証人の前で、自己の遺言書であることを申述する、という形式を取ります。
自筆証書遺言と違って、内容はワープロやパソコンで印刷したものでも可ですが、
署名は必ず自署しなければなりません。
(音声や映像は、秘密証書遺言でも認められません)
また、公正証書遺言と違って、遺言の存在は公証人及び二人以上の証人に知られますが、
その内容の秘密は、保持されます。

しかし、内容がわからないだけに、死後その効力が争われる可能性はあります。
また、二人以上の証人が必要ですし、公証人の費用もかかります。
保管は公証役場では行わず、自分で保管しなければなりません。
死後開封するには、家庭裁判所の検認が必要になります。

秘密証書遺言のメリット
  • 遺言の内容の秘密は保持される
  • 本人作成の遺言であることに争いの余地がない
  • 署名以外の部分はワープロ等で作成できる

秘密証書遺言のデメリット
  • 遺言を書いたことは知られてしまう
  • 内容に関しては、無効となる可能性も
  • 証人が二人以上必要
  • 公証人の費用がかかる
  • 家庭裁判所の検認が必要
  • 保管は本人で
  • 字が書けない人は利用できない

自筆証書遺言が、様々なトラブルの元になるかもしれない原因のうち、
本人作成の遺言であるかどうか、という部分だけでも、公証してもらっているので、
その分秘密証書遺言の方が、望ましい、とも言えます。
しかし、内容に関して、
法律的効力が争われるようであれば、せっかくの遺言も意味を成しません。
専門家のアドバイスなしでは、
秘密証書遺言の作成は、難しいのではないでしょうか。

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日本行政書士連合会・大阪府行政書士会・ファイナンシャルプランニング技能士センター所属
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