自筆証書遺言

自筆証書遺言
ご自身で遺言書を作成すれば、秘密も守れますし、費用もかかりません。
これを、自筆証書遺言、と言います。

自筆ですので、当然ワープロソフト作成し印刷したものや、パソコンで作ってハードディスクなどの記憶媒体に残してあるものは、遺言として認められません。
また、音声録音や、ビデオ撮影などの画像で残すことも同様です。
使用する紙、筆記具は何でもかまいませんが、紙片に書いたのでは下書きと取られるかもしれませんし、鉛筆書きでは、変造の恐れもありますので、使用しないで下さい。

書き方は縦書き、横書き、どちらでもかまいませんし、数字の表記も、アラビア数字(1、2、3…)漢数字(一、二、三…)どちらでもいいのですが、不動産の表示や金額の数字については、多画数漢数字(壱、弐、参…)を使いましょう。
自筆証書遺言では、遺言の全文を自分で書く必要がありますので、遺言事項だけでなく、日付、署名も必ず自書しなければなりません。
また、日付はその日を特定できるものでなければいけませんので、“一月吉日”のような書き方はできません。
署名ももちろん自署し、押印も必要です。三文判でも不備ではありませんが、実印のほうが望ましいでしょう。

遺言を書き終えたら、遺言書と表書きした封筒に入れ、糊付けして保管します。
特に表書きや封をすることは、法律で定められてはいませんが、遺言の内容の秘密の保持と、死後発見された時に遺言とわかる為には、必要な配慮です。
また、封のあるなしに関わらず、遺言執行には家庭裁判所で検認の手続が必要となります。

自筆証書遺言のメリット
・遺言の内容、存在を完全に秘密にできる
・費用が掛からない

自筆証書遺言のデメリット
・遺言の存在すら知られていない場合、発見されないことも
・書式が厳格であり、それを外れれば無効となる恐れがある
・変造の恐れがあり、死後本人自筆のものであるか争いとなる可能性も
・字の書けない人は、利用できない
・家庭裁判所での検認の手続が必要