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  離婚と子供〜親の責任として〜

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行政書士・FP荒井太一

行政書士
2級ファイナンシャルプランニング技能士
荒井太一
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▼ 離婚と子供

離婚する場合、男性も女性も、離婚したい側もやむなく離婚する側も、
双方大なり小なり傷つくものです。
しかし、その傷が最も深いのが、両親の間に挟まれる子供でしょう。
多くの子供が、離婚の原因が自分なのではないか、と苦しむそうです。

ただ、だからと言って、子供の為にだけ結婚生活を続ける、
というのも、いかがなものでしょう。
互いにギクシャクとした両親の、ストレスいっぱいの生活に巻き込むのも、
いいことだとは思えません。
ご自身の為、お子さんの為、ベストな、でなければベターな解決策を、共に探していきましょう。

▼ 親権

▼ 面接交渉権

▼ 養育費

▼ 子供の戸籍

 

▼ 親権

未成年の子供は、父母の親権に服することになっています。
具体的には、
未成年の子供を監護・教育する権利義務である、身上監護権と、
子供の財産を管理し、その他財産に関する法律行為を行う、財産管理権がありますが、
これら二つを、分けて考える必要は、ないでしょう。
(漫画『カバチタレ』では、ありましたけどね。)
親権と言いますが、子供との関係においては、義務に近いものと言えます。

結婚している間は、父母が共同して親権を行う、とされていますが、
離婚すれば、共同で行うことはできません。
離婚するに当たって、協議離婚では、話し合いで親権者を決めなければ、
離婚届は受理されませんし、
判決離婚の時は、裁判所が親権者を決めることになっています。
つまり、親権者が決まらないうちは、離婚もできない、ということです。

家庭裁判所が親権を決める際、以下のような基準、考慮要素があります。
・現状尊重の原則
子供の現状を尊重し、遺棄や放置などの特別の事情がない限り、
現実に子供を監護養育している者を優先させる考えです。
子供の心理的不安定をもたらすような変更は、好ましくない、ということです。
このことから、とにかく家を出て別居を、という時にも、
親権を手放したくなければ、必ず子供を連れて出るべき、とも言われます。
・母親優先の原則
乳幼児については、特別の事情がない限り、母親が優先されます。
この時期の子供には、母親の愛情と監護が、より重要という考えです。
・子供の意思尊重の原則
物心のついた子供なら、その意思を尊重しよう、という考えです。
満15歳以上の子供なら、その陳述を聞かなければならないことにもなっていますが、
15歳未満であっても、尊重すべき、ということです。
・兄弟姉妹不分離の原則
同一親からの兄弟姉妹は、一緒に監護すべき、という考え方ですが、
実際は、現に別々に監護されている場合もあり、子供の意思を尊重するなどして、
柔軟な対応がなされています。
・離婚に際しての有責性
例えば不倫などの不貞行為は、親権者としての不適正要因にはならない、
と考えられています。
しかし、その他の事情、DVであったり、
子供の監護に著しく影響を及ぼすような環境であれば、
当然考慮されます。
・その他の事情
物質面・経済面よりも、精神面・情緒面が重視されます。
子供に対する愛情、父母の性格、監護能力を始めとして、
監護に関するあらゆる諸要因を比較考慮します。

一度決まった親権者を変更するには、家庭裁判所での調停か審判が必要となりますし、
その際にも、上記のような項目が考慮事項となります。


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▼ 面接交渉権

面接交渉権とは、非監護親、つまり、一緒に暮らしていない親が、
別れた子供と会って交流する権利です。
離婚しても、子供にとって実親であることには変わりありませんし、
親にとっても、交流する権利はあるわけです。
これも、権利と言いますが、子供に対しては、義務である、とも言えるでしょう。
両親の離婚で傷ついた子供に、自分のせいで両親が離婚したのではなく、
変わらぬ愛情を持っていることを伝える為にも、交流は持ち続けなければなりません。

しかし、大人の都合で会えなくなったり、久しぶりだからと甘やかしたり、
振り回される子供への悪影響は避けなければなりません。
その為にも、面接交渉に関して、取り決めをしておく必要があります。
また、DVや借金など、子供に会わせたくないケースなどでは、
子供に会う機会を制限する、という意味でも、面接交渉権に関する取り決めを、
役立てることができます。

ひと月に一回、具体的な日時と場所は、その都度話し合い、
などという包括的な取り決めが多いようです。
このようにしておけば、子供の体調や面接交渉する側の都合などによる変更に、
対応しやすい、という利点はあるものの、監護親の方が面接交渉に消極的で、
子供を会わせたがらない、などという場合に、問題が起きることも考えられます。
ある程度は、具体的、現実的な取り決めをしておくべきでしょう。

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▼ 養育費

養育費とは、未成熟な子供の必要生活費であり、
衣食住に必要な経費、教育費、医療費、最小限度の文化費、娯楽費、交通費等
自立するまでに要するすべての費用ということになります。
あくまで子供の為のものであり、両親の離婚原因、どちらに非があったか、
財産分与や慰謝料の額などとは、関係なく支払わなければならないものです。
離婚時に、次の事柄は、必ず取り決めしておきましょう。
・支払い方法
月額何万円、というように、一定の金額を月払にするのが原則です。
しかし、相手に信用がおけない、その後定期的に収入を得られそうにない、
などの事情がある場合には、一時金として、
離婚時にまとめて支払ってもらう場合もありますが、
これは、相手側が了解した時のみです。
支払い金額
養育費の額は、一般にいくら、と決められるものではなく、
双方の経済力、生活水準などによって、ケースバイケースです。
収入と支出を把握し、必要生活費を算出、その上で、分担額を算定します。
子供一人の場合、2〜6万円、二人の場合、4〜8万円が多いようですが、
それぞれの事情を考慮しなければなりませんので、一概にこれが平均、とも言えません。
支払い期間
18歳まで、20歳まで、大学卒業まで、と、これもそれぞれ事情により異なります。
就職するまで、という取り決めにすると、
最近は成人になっても働かない人が増えたので、
いつまで面倒を見るのか、というのも、問題になってきています。

支払いは長期にわたりますから、事情の変化により、増額、減額することも可能です。
子供の進学、授業料の値上げや、監護親がリストラにあったなどの場合の増額や、
監護親が経済的に恵まれて安定したり、
非監護親の経済状況が著しく低下して支払い不能になった場合には、減額もやむを得ません。

これら、増額減額の取り決めも含めて、離婚協議書を作成しましょう。
養育費の支払いは長期にわたるものですし、取り決めどおりに支払いを受けてる人は、
全体の2〜3割という統計を見ても、不払いに備えることが必要です。
公正証書に執行認諾文言を付けておけば、万が一不払いとなった時に、
裁判を起こさなくても、相手の給料の差し押さえまでを含めた強制執行が可能になります。
公正証書にすることをお勧めいたします。

慰謝料や財産分与には、時効の定めがありますが、
養育費には、時効はありません。
子供が成人するまで、どうしても必要となる費用ですので、
それまではいつでも請求することができます。
これは、たとえ離婚時に養育費を請求しない、という取り決めをしていても、
子供自身の権利として、その請求ができる、と考えられています。

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▼ 子供の戸籍

妻が夫の氏(姓)を名乗る形の結婚が一般的ですので、
離婚をすれば、妻は元の戸籍に戻るか、新たに自分の戸籍を作るか、
どちらかであり、親権者がどちらであろうと、子供の戸籍は元のまま、
結婚時の戸籍に残ることになります。

この場合、新たに戸籍を作って、妻が結婚時の氏を名乗り続けることも可能ですが、
戸籍は別になりますので、見かけ上同じでも、子供とは別の氏です。

子供と同じ戸籍、同じ氏となるためには、まず、元の戸籍に戻ることはできません。
結婚前の親の戸籍に子として戻ると、ひとつの戸籍には親子二代しか入れませんので、
ご自身の子供と同じ戸籍には入れない、ということです。

籍を抜く側が、子供と同じ氏、同じ戸籍となる為には、
まず、旧姓に戻って、または結婚時の氏のままで、
自身が筆頭戸籍者としての新しい戸籍を作ります。
そののち、家庭裁判所に、子の氏の変更許可申し立てをして、
それが認められれば、許可の審判書が出されますので、
それを市区町村役場に持って行き、子供の入籍届を出し、
晴れて、子供と同じ戸籍に入ることができます。
子の氏の変更許可申し立ては、親権者であれば、問題なく許可されます。

また、成人して一年以内に市区町村役場に届け出れば、
子供は元の姓に戻ることができます。
その際、父親の戸籍に入るか、あるいはその姓で新たに筆頭者としての戸籍を作るかを、
選ぶことができます。

なお、離婚し、戸籍が別になっても、親権者がどちらであろうと、
実の親との間の血縁関係に変わりはありませんので、
親が亡くなれば、子供には相続権が発生します。
その後、再婚して子供が生まれていても、実子であれば同じだけの権利を持つこととなります。

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日本行政書士連合会・大阪府行政書士会・ファイナンシャルプランニング技能士センター所属
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