養育費

離婚後も子が成人するまで続くのが、養育費の支払い及び受取りです。子の年齢にもよりますが、大変長期にわたる場合もあり、離婚前に取り決めをしておくべきでしょう。
しかしながら、日本において、取り決め通りに養育費を支払っているのは、全体の2~3割という統計もあります。養育費は、離婚後も続く親としての義務ですから、現実的な金額、確実な受け渡し方法、滞った場合の対処法等、のちのトラブルを避けるためにも、書面に残しておかなければなりません。
ここでは、親の義務であり子供の権利でもある養育費ついて見ていきましょう。

養育費
養育費とは、未成熟な子供の必要生活費ですので、学費や食費に限らず、衣食住に必要な経費全般、医療費、最小限度の文化費、娯楽費、交通費等自立するまでに要する全ての費用ということになります。あくまで子供の為のものであり、両親の離婚原因、どちらに非があったか、財産分与や慰謝料の額などとは、関係なく支払わなければならないものです。

離婚時に、次の事柄は、必ず取り決めしておきましょう。


・支払い金額
ここが一番気になるところだとは思いますが、養育費の額は、一般にいくら、と決められるものではなく、双方の経済力、生活水準などによって、ケースバイケースです。収入と支出を把握し、必要生活費を算出、その上で、分担額を算定します。
家庭裁判所には、参考資料としてその目安となる算定表はありますが、それぞれの事情を考慮しなければなりませんので、一般にこの算定表に従う、とも言えません。
・支払い期間
特に取り決めをしなければ、未成年の間、ということになりますので、現在の法律では20歳まで、と考えるのが一般的ですが、18歳まで、20歳まで、大学卒業までと、それぞれの事情により取り決めをすることができます。
就職するまで、という取り決めにすると、最近は成人になっても定職に就かない、あるいは就けないケースも想定されますので、いつまで面倒を見るのか、というのも、問題になってきています。
・支払い方法
月額何万円、というように、一定の金額を月払にするのが原則です。しかし、相手が信用ならない、その後定期的に収入を得られそうにない、などの事情がある場合には、一時金として、離婚時にまとめて支払ってもらう場合もありますが、これは、相手側が了解した時のみです。
養育費の支払いは、離婚時の子供の年齢によっては、長期にわたります。その間に、養育費を支払う側及び受け取る側のそれぞれに環境の変化も予想されます。転職や転居、再婚など事情の変化により、増額、減額することも可能です。
子供の進学、授業料の値上げや、監護親がリストラにあったなどの場合の増額や、監護親が経済的に恵まれて安定したり、非監護親の経済状況が著しく低下して支払い不能になった場合には、減額もやむを得ません。

これら、増額減額の取り決めも含めて、離婚協議書を作成しましょう。養育費の支払いは長期にわたるものですし、取り決めどおりに支払いを受けてる人は、全体の2~3割という統計を見ても、不払いに備えることが必要です。
公正証書に執行認諾文言を付けておけば、万が一不払いとなった時に、裁判を起こさなくても、相手の給料の差し押さえまでを含めた強制執行が可能になります。離婚協議書を作成する際には、公正証書にすることを強くお勧めいたします。<br>

慰謝料や財産分与には、時効の定めがありますが、養育費には、時効はありません。
子供が成人するまで、どうしても必要となる費用ですので、それまではいつでも請求することができます。これは、たとえ離婚時に養育費を請求しない、という取り決めをしていても、子供自身の権利として、その請求ができる、と考えられています。