遺産分割の方法

遺産が全て現金や預金であれば、法定相続分や、特別受益、遺留分などを考慮しつつ、分割するのは難しくないかもしれません。
しかし、日本人の財産の大半を占めるのは不動産であり、これを分割して所有したり、共有したりというのは、実際、あまり合理的な方法ではありません。

遺産分割の方法
現物分割
この土地はA、家屋はB、預貯金はCなど、分けられるものを、実物で分けてしまう方法。
シンプルでわかりやすいですし、相続人が納得すればそれで良いのですが、それぞれの価値の違いなどから、不公平感が残ることもあり得ます。
換価分割
遺産の全部、または一部を売却して、現金化して分ける方法。
遺産によっては現金化が難しかったり、遺産に自宅などが含まれると、なかなか合意が得られないことも予想されます。
代償分割
ある相続人が特定の遺産を取得し、他の相続人に対して、本来の相続分の金銭などを支払う債務を負う、という方法。
その遺産を取得する相続人に、大きな金銭的負担を強いる可能性もあります。
実際は、これらを組み合わせたような形で、分割することも多いでしょう。
遺産分割は、個々の遺産の種類、性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態、生活の状況、その他、あらゆる事情を考慮に入れ、適切に行われなければなりませんので、遺産分割協議が不可欠となります。